グレン・ビルプのドローイングマニュアル

総評

グレン・ビルプ氏は指導者として50年のキャリアを誇り、アニメーションに必要なドローイング手法を確立した方ではないでしょうか。世界中に著者のDVD、書籍があり学校、スタジオなどに取り入れられています。
この教本は著者が実際に12週間に渡って人体ドローイングの基礎を基にした内容になっており、ドローイングに必要な基礎を学ぶことが出来ます。
ジェスチャードローイングとは違い、立体感、その先の細部までもう少し人体の構造、描き方の理解を深めたい方におすすめです。

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レビュー

ジェスチャー、クイックスケッチはその一瞬を速く描きとめるところに重点が置かれていますが、ドローイングに関しては5~20分くらい時間を使い人体の立体感を意識しながら描いていきます。
アニメーターの中でも2Dの方におすすめします。
3Dアニメーターももちろんおすすめですが、ポージングや体の流れなどはほどほどの説明なのでより詳しく知りたい方は「リズムとフォース」「アナトミーとフォース」をおすすめします。

この教本は総評にも書いていますが12週間の人体ドローイング基礎を基に構成されており、レッスン12という形で分かれています。
球体から始まり、人体のトーン(陰影)まで50年に渡り世界中で教えてきたことを細かく、順を追って説明されていますので無理なく独習することが可能です。

著者は常々「ルールはありません、ツールです!」とおっしゃっており、ドローイングの本質は伝えること。うまく描くことが本質ではないのでルールに縛られることなく思うがままに伝えたいことを伝えるためのツールに過ぎません。

この教材でそのツールを学び自分の感じていることをぜひドローイングにしてみてください。